活動記録
ACTIVITY REPORTS

レジリエンス人材育成事業 オンラインセッション開催報告

2021年11月10日

レジリエンス人材育成事業 オンラインセッション開催報告
2020年8月31日-9月29日 オンライン開催

開催内容:ガイドブック参照
「レジリエンス社会構築を牽引する社会起業家精神育成プログラム」

概要

 文科省EDGE-NEXT事業「レジリエンス社会を牽引する起業家精神育成プログラム」のオンラインセッションが、2020年8月31日-9月29日に開催された。本プログラムは、北海道大学、東北大学、小樽商科大学、宮城大学、神戸大学、京都大学(EARTH on EDGEコンソーシアム内大学)に加えて共催校として徳島大学が参加し、受講生21名が集まった。さらに仙台市BOSAI-TECH事業とのプログラム間連携による開催となった。
文部科学省 産学連携・地域支援課長斉藤卓也氏が開催の挨拶を行った。本プログラムは阪神・淡路、東日本という2つの震災の復興プロセスを中心に、北海道の復興状況や他地域の防災の取り組みも見ながら、異なる地域特性や復興プロセスの時間的変化を理解し、社会システムの脆弱性を読み解いて創造的価値を生み出す事業を創出・持続できる人材育成を目指している。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、昨年度のような現地調査が難しい状況を鑑みて、オンラインで講義やワークショップを実施し、レジリエント社会の実現に向けた、ビジネスアイデアを学びます。

社会システムの脆弱性と極度の状況変化を理解する

 社会システムの脆弱性、極度の状況変化とは何かを学んだ上で、東日本大震災の被災地の映像や被害に関するデータなどを見ながら、被害状況や復興の過程などについて理解を深めた。また、災害に関する歴史遺産や災害心理、さらに新型コロナウイルス渦中での避難のあり方についても考えを巡らせた。
リアルタイム講義では、グループワークで、因果ループ図やシステム図などの作成に取り組み、ビジネスアイデアを具現化する方法を学んだ。

自助・共助・公助を理解する

 自助・共助・公助とは何かを学び、災害が発生した場合、それぞれにどのような脆弱性があるかについて考えた。さらに三助への理解を深めるため、徳島県に本社を置く大塚製薬工場の事例や、災害対応能力強化のために建設業者が協働する「なでしこBC連携」などの事例も紹介。
リアルタイム講義では受講生それぞれが考える事業・ビジネスアイデアに関する自助、共助、公助について整理し、アイデアの具現化に取り組んだ。

社会的価値と経済的価値を理解する

 これまで、構想してきたアイデアを持続可能な事業・ビジネスに昇華されていくために、経済的価値が伴うことを確認する手法を学習。具体的には、社会価値、顧客価値、技術価値、事業価値の4つのバランスの重要性や、プランニングワークシートに記載するビジネスの流れ図の書き方などを学んだ。
リアルタイム講義では、実際にプランニング・ワークシートに記載した内容についてグループワークで討議し、それぞれの事業・ビジネスアイデアをブラッシュアップした。

オンラインプレゼンテーション

 最終日の9月29日には、プログラムの総仕上げとして受講生21名がビジネスアイデアの発表を行った。その後、6名より講評がありました。

受講生たちの声

プログラムは学生だけではなく、社会人も受講しました。社会人から「事業や企画を考える際の切り口に悩んでいたので、ためになった」、「社会に残る革新的なビジネスアイデアはユニークでシンプルであることを再認識できた」など、現場に立つ企業人ならではの感想が寄せられました。一方、学生からはユニークな事業案が出され、その違いがお互いの刺激になったようです。

次年度に向けて

 今年度は新型コロナウイルスの影響を鑑みて、全カリキュラムをオンラインで実施いたしました。約1カ月にわたり、感染症という新たな制約条件下で災害対応について考えるという、受講生・スタッフ双方にとって昨年以上にハードルの高いプログラムとなりました。しかし、昨年度と異なるのは、プログラム修了後に事業案を実行フェーズに移す受講生が出てきたことです。この流れを加速するには大学だけでは限界があり、自治体、企業など多くのステークホルダーの協力が不可欠です。
2021年度には、海外の大学・機関とも連携しながら国際展開も目指し、さらに多くの大学・研究機関・自治体・企業・NPOなどの参加を促し、より充実した体制の構築をしていく予定です。